試合。
もう嫌だ、もうツライ、もう無理、もう限界。
昔からそんな気持ちになると、頭の中であの人の声がこだまする。
「あきらめたら、そこで試合終了ですよ・・・?」タプタプ
そのたびに、こう思って踏ん張ってきました。
「安西先生がそう仰っているでしょうが!!」 と。
今は苦しくても、耐えて耐えて乗り越えれば、きっと幸せになれる。
この苦しみが、いつかきっとこれから先の人生の役に立つ。
でも、ある時ふと気づいたんです。
時として、あきらめた方が良い試合もあるのではないか・・・?と。
そもそもミッチーは、「バスケがしたいです・・・」という熱い志をあきらめて腐ってた訳じゃないですか。
号泣するほどやりたい事だった訳じゃないですか。バスケが。
達成したい目標や叶えたい夢が根底にしっかりとあったからこそ、
二年間のブランクがあっても復帰し活躍できたんだと思うんです。
私が思うに、安西先生が仰っていたのは、
「自分にとって大事な試合は、簡単にあきらめちゃいかんよ」
という事ではないのかなと。
それなのに私ときたら、先生の言葉の表面だけを掬い取って、
わが身に降りかかる全ての試合にこの言葉を適用して、遮二無二プレイしてきました。
もっと早くにこの事に気づいていればさ、
理不尽な体罰や暴言を受けるスパルタな部活を引退まで頑張る事も無かっただろうし
あらゆるハラスメントがうずまくブラック企業に
心身がボロボロになるまで身を置く事も無かっただろうし
ダメンズ相手にずるずると尽くし続ける事も無かったと思うの。
全部、「志」のない試合だった。ただ耐え忍ぶ事が目的であり目標になっていた。
だが、そろそろ自分を信じていい頃だ。
今の私はもう十分あの頃を越えているよ。
おう、私は仮家、あきらめの悪い女・・・
もう私には、快楽しか見えない。